微細粒熱延鋼板(NFGシリーズ)
鋼の新しい力
お客様のために鉄の可能性を追及するNFG
NFGとは?
NFGは、N(NAKAYAMA) F(FINE=微細な) G(GRAIN=粒子)という商品名で平成13年12月より生産・販売を開始しており、世界で当社しか製造のできない夢のスーパーメタルとして、業界での注目を浴びています。また、NFGの製造技術は平成15年度 大河内記念技術賞、フランス鉄鋼協会「ベストワン賞」も受賞しております。


ベストワン賞
NFGの特長
- 結晶粒度
- 鋼は多くの結晶粒から成り立っており、NFGの結晶粒径は2~5μmと 非常に微細で、従来の熱延鋼板(10~15μm)の約3分の1の粒径です。
-
結晶粒度の比較
NFG(2~5μm) 従来の熱延鋼板
(10~15μm)
NFGの品質特性
- 強度(引張強度)が上昇し、省資源、リサイクル性に優れたNFG
- NFGでは結晶粒度を微細に(1/3)することで強度が1.5倍になります。通常は鋼の性質を向上させるために、合金元素を添加することがありますがNFGでは結晶粒度が微細なため、合金元素の使用量を抑えても高強度な鋼を保っています。添加物が抑えられているため、省資源・リサイクル性にも優れてたエコな鋼となっています。
-
同一成分の微細粒化による強度上昇例
- 疲労性能に優れたNFG
- 鋼材には、小さな力が何度も繰り返されて破断してしまう「疲労(金属疲労)」という性質があります。 ある一定の繰り返し応力を1000万回以上負荷しても破断しないことが確認された応力範囲の最大値を「疲労限」と呼び、疲労限が大きい材料ほど、疲労性能に優れた材料とされています。下図のように、NFGの疲労限は、従来の熱延鋼板に比べ疲労限が向上しています。
-
平板曲げ疲れ試験 10^7回(10の7乗)結果(NFG600W)
- 加工性に優れたNFG
- 一般に鉄鋼材料は高強度になればなるほど、加工時の変形のしやすさが低下します。強度と延性2つの性質は相反する性質であり、両方を同時に実現することは困難です。NFGは強度と加工性のバランスに優れた材料であり、様々な加工への適用が可能です。
-
NFGの強度延性バランス
- スケール性状に優れたNFG
- スケールとは、鋼材表面の膜のことです。NFGは従来の熱延鋼板と比べスケールの厚みは1/3以下で密着性が良く フォーミング、プレス加工時のトラブルが少なく、また酸洗によるスケール除去時間を短くすることができるためお客様のコスト低減につながります。
-
NFG(2.5μm) 従来の熱延鋼板(9.7μm)
- 低温じん性に優れたNFG
- 鋼材は一般的に低温になるほど粘り強さが低下します。しかしNFGは結晶粒微細化により、強靭な鋼となり、-60℃の低温でも脆くなりません。このため、寒冷地や低温環境にも適用可能です。
-
NFGのシャルピー衝撃試験結果(板厚12mm)
- 溶接性に優れたNFG
- 強度は、結晶粒径を微細化して得られるため、鋼中の化学成分を少なくでき、組織が均一なため溶接性に優れています。
-
対象材 NFG600W t2.3mm
- 切断性に優れたNFG
- NFGは、従来材に比べ「むしれ」や「欠け」が少なく、切断後の手入れをせずとも難しい加工が可能です。
-
NFG 従来材
- 耐摩耗性に優れたNFG
- 鋼材の耐摩耗性は表面の硬度に比例します。NFGは高炭素鋼と同等の耐摩耗性を発揮できる鋼です。
-
供試材を摩耗材スラリー(SiC+水)中で回転させた各試験片の摩耗量
- NFGの用途例
-
クレーン 仮設足場 自動車部品等 -
NFGの規格・製造可能範囲はこちら