株主・投資家の皆様へ

トップメッセージ

代表取締役社長 箱守 一昭

株主の皆様へ

 平素は、格別のご厚情を賜り、心から厚くお礼申しあげます。
 さて、2023年度(2023年4月1日~2024年3月31日)が終了いたしましたので、当社の事業の概況につきまして、ご報告申しあげます。

2024年6月

株式会社中山製鋼所
代表取締役社長 箱守 一昭

事業の概況

 当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行により経済活動が正常化に向かう一方で、ウクライナ情勢や中東情勢が深刻化するなど国際情勢が不安定な中で、円安の進行や物価上昇など、先行き不透明な状況が続いております。
 当社グループの主力事業である鉄鋼業界におきましては、自動車向け需要は半導体などの部品供給制約の緩和により回復しましたが足元では前年割れの状態が続いており、土木・建築向けや産業機械向けにつきましても弱含みのまま推移してまいりました。
 このような状況の中で、当社グループは、中期経営計画(2022年度~2024年度)の重点方針に沿って、グループ一体での加工分野の強化、鉄源多様化の促進や製造コストの削減に努めてまいりました。

〔鉄鋼事業〕
 鉄鋼事業につきましては、前期に比べスクラップ価格が安定して推移し下落したことや燃料調整価格の下落などによるエネルギー価格の引き下げがありましたが、鋼材販売価格の下落や上期の設備トラブルの影響によるコストアップなどにより、減収減益となりました。
 これらの結果、売上高は前期比41億2百万円減収の1,814億39百万円、経常利益は12億27百万円減益の117億52百万円となりました。

〔エンジニアリング事業・不動産事業〕
 エンジニアリング事業につきましては、前期に比べ鋳機部門および海洋部門の受注が増加したことなどにより、売上高は前期比95百万円増収の20億3百万円、経常利益は71百万円増益の74百万円となりました。
 不動産事業につきましては、賃貸収入を中心に安定した収益を確保し、売上高は前期比62百万円減収の10億2百万円、経常利益は8百万円増益の7億6百万円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は前期比40億68百万円減収の1,844億45百万円、営業利益は13億16百万円減益の123億27百万円、経常利益は11億27百万円減益の122億44百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は13億23百万円減益の89億4百万円となりました。
 当事業年度の単独決算につきましては、売上高は前期比25億77百万円減収の1,470億99百万円となり、営業利益は12億26百万円減益の109億円、経常利益は9億89百万円減益の109億57百万円、当期純利益は173億86百万円減益の81億20百万円となりました。

今後の見通し

 今後のわが国経済の見通しにつきましては、米中対立の先鋭化、ロシアのウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の悪化などの地政学リスクに伴うエネルギー価格の高騰、中国経済の低迷と鉄鋼需給バランスの悪化、為替変動など、先行き不透明な状況が続くことが予想されます。また、物価・人件費の上昇や2024年問題による輸送コストの高騰など、コスト環境は一段と厳しさを増しております。
 このような環境のもと、当社グループは中期経営計画の最終年度である目標の達成に向けて、施策を着実に実行し、鋼材から加工品まで一貫した利益を高めつつ、適正な鋼材スプレッドの確保に努めてまいります。

 株主の皆様におかれましては、以上の諸事象をご賢察のうえ、今後ともなにとぞご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。