財務戦略
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キャピタル・アロケーション
新電気炉への投資は当社グループの成長戦略の中核をなすものであり、日本製鉄株式会社出資分、銀行借入、資産売却などにより成長投資枠1,050億円を確保し、そのうち950億円を新電気炉建設費と計画しています。一方、期間中の維持更新およびその他の成長投資については、安定かつ安全な操業を最優先として、350億円程度を計画しています。新電気炉の稼働までは、既設の電気炉による年間60万トン体制の構築や、加工戦略の強化など収益力向上のための投資も進め、短期的な収益確保と中長期的な成長の両立を図る方針です。
- 新電気炉投資(成長投資)
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- 電気炉鋼材の適用拡大によりカーボンニュートラル・循環型社会の実現に貢献 (CO2排出量を2013年度比46%削減)
- 既設電気炉の2倍以上の生産能力となる新電気炉導入 (120万t/年)
- 外部鉄源から自社鉄源への振替、省エネ化、生産性の向上、工場レイアウトの最適化などによるコスト競争力強化
- 日本製鉄との業務提携に基づく電気炉鋼片や電気炉熱延製品の供給による効果 (収益性向上、安定化)
- 維持更新・その他の成長投資
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- 安定・安全操業に関わる投資を最優先
- 新電気炉投資以外の収益投資 (新電気炉稼働までの間の既設電気炉による60万t/年体制構築や加工戦略の強化 [M&A検討含む] など)
- 株主還元
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- 連結配当性向30%以上を目安とし、安定配当の維持を基本とする
- 新電気炉完成後の収益、キャッシュ・フローの状況を踏まえ、株主還元の強化を検討
資本コストや株価を意識した経営の実践
PBRについては、2025年3月末で0.38倍と1倍を大きく下回っており、改善が大きな課題であると認識しています。PBR改善のためには、企業価値を向上させるとともに、株式市場で適正な評価を受けることが重要と考えています。
企業価値向上のためには、利益水準の向上と適切な株主還元により、株主資本コストを上回るROEの持続的な向上に努めていきます。株主資本コストは6%から8%の間で推移しており、ROEは2024年度5.4%と前年より低下しましたが、3年平均では8.5%と株主資本コストを上回っています。今後もROEの水準を維持向上させるため、「中山製鋼所グループ2033長期計画」の実行、資産の有効活用、成長戦略の推進などに力を注いでいきます。
資本効率
株式市場での適正な評価という観点では、2025年3月末のPERは7.0倍と、低い水準となっています。今後はESG経営の推進、IR活動の強化、配当政策など株主・投資家の皆様への情報発信をより強化し、よりわかりやすく示していくことで、株式市場での適正な評価につなげていきます。
当社株価と日経平均株価の推移
配当方針
利益配分については、経営基盤と財務体質の強化、ならびに今後の事業展開に備えるために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を維持していくことを基本方針としています。配当水準は、新電気炉完成までは連結配当性向30%以上を目安としています。新電気炉の完成後は収益、キャッシュ・フローの状況を踏まえ、株主還元のさらなる強化を検討していきます。
連結配当性向の推移